薄い皮をめくる

洋楽、ジャズ、渋谷系、アニソンを好んで聴く学生の音楽レビューや日常を綴るブログ。

'Round About Midnight / Miles Davis

Miles Davis初めてのレビューになりますが感想の意味合いもあるのでタイトルに所に(感想)も表記しておきます。

今回取り上げるアルバムはMiles Davis'Round About Midnightです。
f:id:jazzy_nasty_mizzy:20160802150318j:plain:w200:h200:left Miles Davisに関する簡単な概要は最後の方に記載しておきます。

本作はマイルスがプレスティッジからコロンビアに移籍後最初のレコーディングした作品。同時期に契約消化の為にプレスティッジでレコーディングされた4作は「マラソンセッション」と呼ばれいずれも名作として現在も多くのリマスター盤、廉価版なんかも発売されていますね。
当然今回取り上げる'Round About Midnight(以下RAMと表記)も「マラソンセッション」あるいはそれ以上の知名度や評価の高さも誇っており、レビュー等も様々な媒体で数え切れない位見る事が出来ます。そんな名盤中の名盤を最初のレビューに取り上げるのも少し気が引けますが個人的にも気に入っているアルバムなので特に取り上げたい数曲を紹介していきます。 

まずは曲目を

1.'Round Midnight
2.Ah-Leu-Cha
3.All Of You
4.Bye Bye Blackbird
5.Tadd's Delight
6.Dear Old Stockholm
(ここからはオリジナルのLPには収録されていないボーナストラックです)
7.Two Bass Hit
8.Little Melonae
9.Budo
10.Sweet Sue, Just You

1.Round Midnight 
Thelonious Monk作のジャズスタンダードでこれまで数々のミュージシャンがカバーしてきましたが、個人的にこの演奏が一番好きです。自分の中で思い描くJazzを体現しているトラックだと思っています。 深夜の繁華街の路地裏に落ちている広告が風で飛んでいく...そんな誰も見向きもしないけど、どこかしらにムードを感じるドラマが流れている様な印象。
イントロ無しのピアノとベースの音で落とされます。直後に続く囁くようで薄い皮を切る様なマイルスのトランペットの音、重層感が違いますね。
特にブリッジ前の静けさは緊張感とゆりかご的な安心感を与えてくれます。そこから「テテテッテー(擬音)」→コルトレーンのソロの流れ、となる訳ですが、ここをセックスで例えると絶頂から後戯へと入る感じでしょうか。
点数を付けるとすれば96/100はあげたくなるくらい好きです。

2.Ah-Leu-Cha
Charlie Parker作の曲(?)。本人が演奏していたものよりも本作の演奏ではテンポは速くなっています。
そんなことよりも最初アルバムを通して聴いた時、この曲には面喰ってしまいました。1の余韻に浸るような隙も与えずにこのド級ビバップがくるのですから。高低差が有り過ぎてこの曲がフリージャズに聞こえてしまうくらいでしたよ(笑)。
All Of Youと順番変えてみたり、ボーナストラックのTwo Bass Hitの後に持ってきたりしていたらまだ自然に聞こえたとおもいます。曲自体は嫌いではないですが初めて聴いた時の印象が強すぎてアルバム曲として、あまり好きではないんですよね(汗)。
ただ、しっかり聞いてみるとそれぞれのソロパートは意外とおとなしいですね。高音も出し切らないようにしていて何とかこのアルバムの中にハメようとしている気がします。ある意味、1が真夜中の「静」を象徴する曲ならば2は「騒」を象徴する曲なんでしょうね。ナイトクラブとかいつまでたっても家に帰ろうとしないヤンキーだったり...。

4.Bye Bye Blackbird
この曲もこれまで沢山のジャズマン達がカバーしてきた曲ですが、恐らく本アルバムに収録されている演奏がもっとも有名なもののうちの一つです。
この曲におけるマイルスの演奏は本当に歌詞を歌っているように聴こえるのは自分だけでしょうか?
曲の内容は、ある娘が娼婦業から足を洗って実家に戻る...と言う内容を比喩的に歌ったものだとされますが、その内容を知らずともこのミディアムテンポの軽快なサウンドに悲壮感の様な物を感じました。
このアルバム全曲通して言えることなのですが、一つの曲に内包されているものが本当に多い。それでいて聴き疲れさせないのはやはり彼らの演奏能力、歩んできた人生の重みがそうさせているのかもしれませんね。

10.Sweet Sue, Just You
ボーナストラック収録のアルバムですとこれが最後のトラックになります。
これも深夜というこのアルバムのタイトルに入っている単語に合う曲だと思います。
どうせなら2と取り換えてLPに入れておいた方がよかったんじゃないかとおもったりもしてます(笑)。
ピアノの音やドラム、ベースがこのムードを引き立たせるのに大きく関わっているように思います。誰も出しゃばり過ぎないのでJazzになれていない人も楽に聴けるはず。


まとめ:初めてのレビューでしたので文章も稚拙なところが多々あると思いますが、そこは大目に見てもらいたいな(笑)しばらくして文章作成能力も向上したらもう一度書き直して投稿しておきたいです(汗)。

アルバムとしてはコンセプト通りで聴き疲れもしないし、ほとんど文句を言う点がないですね。
2の違和感も相殺されてしまうくらいに全体の出来が良いと思います。
マイルス自体、自分にとっては色々なジャンルの垣根を超えた中でも特に好きな人なのですが、彼の作品の中でもトップクラスに入るくらい好きなアルバムです。


Miles Davis(マイルス・デイビス)

Miles Davis(1928~1991)はアメリカの黒人ジャズトランぺット奏者。f:id:jazzy_nasty_mizzy:20160802150257j:plain:right:w260:h200
クールジャズ、モードジャズ、エレクトリックジャズなど様々なジャンルを時代に先んじて取り入れ常に新しいサウンドをジャズ界のみならず音楽業界全体に提唱し続けた。ロックとジャズ、晩年はヒップホップとジャズの融合も試みていた。「ジャズの帝王」と評されている。代表作「Birth Of Cool」(1949),「Kind Of Blue」(1959),「Bitches Brew」(1970),「TUTU」(1986)等