OPUS未収録曲だけで山下達郎のベスト盤を妄想する記事
年も明けてしまいましたが、体調を崩して部屋に籠っている今が好機。
筆不精ですが、頑張って書ききってみせます。
OPUSと同様、時系列順。
オリジナルアルバム毎っていう具合で。
SONGS(SUGAR BABE名義)
1.SHOW
2.今日はなんだか
シュガーベイブから二曲程選ぶなら
この選曲が定石ではないでしょうか。
SHOWはSONGSを作る際、一曲目に適切な物を
作ろうと意識した曲だそうなので背景を鑑みてもこれが適切でしょう。
「土曜日の恋人」同様、ひょうきん族に取り上げられていましたし
知名度もそれなりに。
今日はなんだか は現在も氏のライブで比較的多く取り上げられる曲です。
シュガーベイブの頃は、この曲がアンコール前のラストでした。
ラストのお賑やかしということで、アルバムの中でも勝負曲なのではないでしょうか。
OPUSにLet's Dance Babyが入った理由はライブの常連曲という理由だったので、
「前例」に則るなら、十分適切でしょう。
NIAGARA TRIANGLE Vol.1
3.ドリーミング・デイ
達郎氏曰く「自作曲の中で最もナイアガラ的」という事だったので、
彼の音楽史の文脈を辿る上では不可避と思い選曲。
CIRCUS TOWN
4.CIRCUS TOWN
CIRCUS TOWNは山下達郎ソロ1stアルバム
の表題曲であり、このアルバムの先頭を切る曲。
フォーシーズンズやグレンキャンベルのアレンジ、プロデュースで著名な
チャーリー・カレロのゴージャスなアレンジ。
シカゴソウルバンザイ(笑)!!
(A面はNY、B面はLAでの録音だった)
SPACY
6.DANCER
最近はTyler the Creatorが
Fragileをサンプリングしたことが少し話題になりましたね。
約二十年前、00年代初期に既に海外でカルトながらも
ある曲がDJミックスされていたのですよ。
それがこの曲。
著作隣接権なんか知らんぷりの無許可リリースです。
JD関連のシングルB面にこの曲がそのまま収録されたりもしたそうですが
勿論法律なんて知らんという感じです(笑)。
16ビートの内省的なファンク。
7.朝の様な夕暮れ
この曲で山下達郎はOn The Street Cornerシリーズや
高気圧ガール、クリスマス・イブで
印象的な一人多重録音(一人アカペラ)を
初めて採用します。
山下達郎的録音技術史として
重要な要素の内の一つと言えるでしょう。
後は単にこの曲大好きだから(笑)。
It's A Poppin' Time
8.雨の女王
このアルバムからベスト盤に入れるなら
ピンクシャドウか、これ。
でもどうせならオリジナル曲が良いと思い、雨の女王を選抜。
GO AHEAD!
9.MONDAY BLUE
村上"ポンタ"秀一,岡沢章、松木恒秀、佐藤博、
ここに山下達郎です。雨の月曜日。
七分強の演奏を聴き終えて溜め息をつく儀式。
緊張感と悲壮感の共存が初期山下達郎の醍醐味。
MOONGLOW
10.RAINY WALK
フィラデルフィアの風味。
シングル"RIDE ON TIME"のB面にも収録
11.HOT SHOT
BOMBERやSILENT SCREAMERと並ぶ
ディスコ系ファンク。
最近はこの手の新曲は出なくなってしまいましたね。
出来れば一曲だけでも良いから聴きたい所。
こんなにリードギターに焦点を当てた曲も彼のキャリアでは珍しいのでは。
ガッツがあります。
12.SUNSHINE-愛の金色-
曲者(くせもの)が続いたアルバムの
中でバランスをとるならこの曲かと。
For Youがリリースされ、現在に続くライブの様式が
完成する以前の常連曲だったので選んでみました。
永遠のFULL MOONと同様、ここ30年近く全然やってくれない....
14.いつか
15.MY SUGAR BABE(マイ・シュガー・ベイブ)
14.は説明の必要なし。
2017年のライブで聴いて泣きそうになった。
15.は彼のライブを印象的なものにした青山純のプレイをしっかり楽しめる。
シュガーベイブに贈った歌なので達郎史的に。
FOR YOU
16.MUSIC BOOK
17.LOVE TALKIN'(Honey It's You)
このアルバムも彼のキャリアで特に著名な
作品の内の一つでアルバム全体が
近年のシティーポップブームで人気再燃。
だからそんなに御託並べる必要ないかな。
そんなに好きなアルバムではないけど、
この二曲は結構好き。
DISC.1はここまで。次からDISC.2にあたる楽曲群
MELODIES
1.黙想
クリスマス・イブに移行する為の
短い導入曲。
DISC.1の後半が華やかだったので、
続けて聴くとしたら良い具合に切り替えが出来るのはないでしょうか。
2.夜翔(Night-Fly)
耽美なフィラデルフィア系。
80年代のライブでは、冒頭数曲終えた後のMC明け、
つまり、ライブの本域への導入曲でした。
BIG WAVE
3.Only With You
4.MAGIC WAYS
3.のインストは
達郎氏のレギュラー番組、
"山下達郎のサンデーソングブック"で使用されており、
山下達郎ファン以外の人も聞き覚えのあるものだと思うので。
4.はカッティングが格好良い。
ライブで演奏不可の曲の内の一つ。
POCKET MUSIC
5.ポケット・ミュージック
6.MERMAID
7.THE WAR SONG
8.MY BABY QUEEN
ポケット・ミュージックの時期に
録音環境が大きく変わり、難産だったアルバム。
5.はイントロからアウトロまで山下達郎の特色が順番に現れる
作品だとかってに思っている。
良質なポップスのお手本。
6.BIG WAVE以降はトロピカル路線の曲は少なくなるが、
この曲はFOR YOU辺りに入っていてもおかしくない位の
夏曲。リフがMUSIC BOOKっぽい。
7.は彼にしては珍しい時世を意識した曲。
アジテーションではない、諦念を歌に込めたのだとか。
8.好きな曲。
このアルバムは全体的に華やかさはないけれども、
アダルトポップスの王道を往く良質なアルバムなので
全曲ベストに入れて欲しい位。
僕の中の少年
自身の子供の誕生がきっかけで、
自分の中の少年性との決別をテーマとしたコンセプトアルバム。
Get Back In Loveや踊ろよ、フィッシュ等のシングルヒットも収録されているが、
全体としてかなり内省的なアルバムになっている。
9.寒い夏
10.マーマレイド・グッドバイ
11.僕の中の少年
9.地味な曲っちゃ地味なんだけど、
転調がすごい。ストリングスアレンジが服部克久なので
地味といっても、箱庭的な所から広がる誇大妄想を思わせてくれる。
10.16ビートのノリの良い曲。ライブ演奏不可能曲の一つ。
11.タイトル曲。このアルバムの核。
JOY
12.プラスティック・ラブ
13.GOD ONLY KNOWS
12.は竹内まりやのカバー。
近年のシティポップブームの筆頭となる曲として、再評価されている。
竹内まりや曰、この曲は山下達郎に歌わせることを念頭に置いた曲。
その通り、シンガーソングライターとなってからの竹内の曲の中でも
イレギュラーな曲であるし、この録音を聴けば分かるように、
凸凹がハマるような相性の良い曲となっている。
スタジオ録音と勘違いする程の演奏レベルの高さを見せつつも、
ライブ特有の荒々しさも共存。
山下達郎のライブは質が高いとされているが、
このテイクをそのアイコンとしても良いのではないだろうか。
13.はビーチボーイズのカバー。エレピの弾き語り。
アレンジと、Rhodesの揺れる音が良いですよね。
ARTISAN
14.Splender
15.“Queen Of Hype” Blues
14.個人的に、蒼氓と並ぶ
ゴスペル調の名曲だと思うので。
いい加減ライブで披露してください(91-92年に一度やっただけ)。
15.完全に当時の録音技術で遊びたかっただけの曲(?)。
面白いから入れただけ。
DISC2はここまで。次からDISC3
COZY
1.氷のマニキュア
2.FRAGILE
3.サウスバウンド#9
1.COZYの最初に収録されている曲。
のっけからノリノリの達郎流ファンクを見せてくれている。
2.は2019年、Tyler, The Creatorがアルバム『Igor』の「Gone, Gone / Thank You」でこの曲をサンプリングした。
このことでFRAGILEは初めて達郎ファン以外の注目を集めた。
3.は今ではほとんど発表されることのなくなったトロピカル路線の曲。
Performance’19で初めて演奏された。
COZYからは、時勢を意識した選曲にしてみた。
RARITIES
4.MISTY MAUVE
5.FIRST LUCK –初めての幸運(しあわせ)–
6.JUVENILEのテーマ〜瞳の中のRAINBOW〜
RARITIESはオリジナルアルバムというよりは、
未発表セルフカバーやシングルB面と幾つかの新曲で構成された、
半ベストアルバム。
4.は鈴木雅之への提供曲、詩は竹内まりや。
作詞作曲の布陣は近年の嵐へ提供した「復活LOVE」が思い出される。
鈴木雅之のバブル期のムードを色濃く映しているが、それを氏も何とか自分のものとしており素晴らしい。
5.はGET BACK IN LOVEのB面。氏のカッティングが印象的なアップチューン。
内省的な『僕の中の少年』には合わないとされ、収録されなかった。
6.は山下達郎の00年代初のシングル。少年性への憧憬は「僕らの夏の夢」や「僕の中の少年」と少し重なる。
SONORITE
7.MIDAS TOUCH
8.KISSからはじまるミステリー
7.は現代的なR&B調の曲。たまにヒップホップ界隈でサンプリングされている。
8.はKink Kidsへの提供曲をセルフカバーしたもの。原曲とアレンジが大幅に変わり、7.と近い。
RYOのラップが入っているが、氏の声に近いので違和感がない。
現時点でラップの入った山下達郎の曲はこれのみ。
9.ANGEL OF THE LIGHT (Single Version)
10.俺の空
11.HAPPY GATHERING DAY
9.は「希望という名の光」のシングルB面でRay Of Hopeには未収録だが、
時系列的に便宜上ここにいれた。
YOUR EYESから始まったAlan O'Dayとの英詩タッグ最後の作品。
アメリカンポップス的バラード。
10は当時のトレンドだった、オートチューンを使った実験作。
ミディアムスローのファンクロックで、歌詞がとても男臭い。
割と女々しかったり、人間性を感じさせない抽象的な歌詞が多かった氏の曲としては異例。
11.は長年正月に合う竹馬の友達のことを考えて歌った「同窓会ソング」。
達郎氏が50代後半に差し掛かり、色々な訃報も少しずつ耳にする中、
こういう曲が生まれたのではないだろうかと筆者は勝手に考えている。
氏の自分史をリアルタイムで写した作家的に重要な作品。
それにしても、達郎さんはビーチボーイズ本当に好きですよね。
以降は全てシングルのみ(アルバムいつ出るの汗)
REBORN
12.REBORN
個人的に、太陽のえくぼ以降のシングルで一番好きな曲。
ホーボーソングの様であり、ゴスペルの要素も持ったロック。
後半のギターソロが白眉。
ライブで三回聴いたことがありますが、思ったよりロックンロールしてます。
ミライのテーマ / うたのきしゃ
13.ミライのテーマ
14.うたのきしゃ
実は、この二曲が出た時、失礼ながら「この人まだこんな曲かけたのか!」と
思ってしまった。近年はどうしても内省的であったり、ミディアムスローなものが多かったので、
正直言って底抜けに明るい曲がもう彼の手から作られるとは思っていなかった。
この二曲で可能性が見えてきた感じがありましたね。
「うたのきしゃ」がファンクで格好良い。
次からはオマケ的なDISC4.
ここにはOn The Street Cornerシリーズなどから幾つか。
ほとんどカバーものなので、完全に自分好み。だからウザイ解説はないですよ。
ON THE STREET CORNER 1
1.YOU BELONG TO ME
2.SPANISH HARLEM
3.BLUE VELVET
ON THE STREET CORNER 2
4.AMAPOLA
5.MAKE IT EASY ON YOURSELF
6.YOU MAKE ME FEEL BRAND NEW
ON THE STREET CORNER 3
7.DON'T ASK ME TO BE LONELY
8.LOVE T.K.O.
9.LOVE CAN GO THE DISTANCE (ALBUM REMIX)
Welcome To My Life
10. I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
このアルバムは村上ポン太秀一のアルバム。
氏がゲストヴォーカルで参加した作品です。
一応ここだけ注の様な形でコメントさせて頂きました。
Pacific
11.キスカ
これで完成としたいと思います。
完全な自己満足なので何でもいいやって感じです(笑)
最後はインストで締めるのが、個人的なキモ。
長ったるい文章を最後まで読んでくださりありがとうございました。