薄い皮をめくる

洋楽、ジャズ、渋谷系、アニソンを好んで聴く学生の音楽レビューや日常を綴るブログ。

2023年通ったライブにランキングをつけてみた

①はじめに(本文の内容と前提の共有)

Twitterのリンクを踏んでくれたフォロワーの皆さん、ありがとうございます。
また、何らかの手段でここに辿り着いた皆様、あまり期待しないで下さい。

本記事では筆者が2023年に観覧したライブをランキング形式で並べており、 
 総合ランキング、待望・エモ、踊れる・楽しい系、パフォーマンス・演奏力 と言った感じでジャンル別に分けています。 
ランキングの後は特筆したいミュージシャン・バンドの公演について個別に記載していますので、順位付けの理由が大体わかるかと思います。 

本文は何故か偉そうな文体で書いています。
途中で直すのも面倒でしたので、そのまま通してしまいました。 
また、ランキング付けの動機も主観的なものや自分史に依存する所が多く、自分語りも多いので、そっち系が不快な方はランキングだけ見てからブラウザバックしちゃって下さい。 
※ライブを主としないイベントは除外しています。
(この序文は全文章の中で一番最後に記載しているものです。)

②2023年のライブランキング
総合ランキング
1. 山下達郎:PERFORMANCE 2023 7/29 at NHKホール
2. 横山輝一: AKIMATSURI 2023 9/10 at 神田明神ホール
3. cero: eo Tour 7/12 at Zepp Shinjuku
4. 山下達郎:PERFORMANCE 2023 10/6 at 名古屋センチュリーホール
5. Zapp: Japan Tour 9/11 at ビルボードライブ東京
6. 冨田ラボ: 20th Anniversary Presents “HOPE for US” 7/15 at TOKYO DOME CITY HALL
7. KIRINJI: Steppon’ Out Tour 12/20 at EX THEATER ROPPONGI
8. cero:Contemporary Tokyo Cruise 12/3 at 恵比寿CLUB QUATTRO
9. cero:Contemporary Tokyo Cruise 12/2 at 恵比寿CLUB QUATTRO
10. 東京女子流: 定期ライブ 夜の部 11/11 at SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
11. 駒形友梨:オーケストラコンサート 昼夜両部 6/24 at 紀尾井ホール
12. task have fun 東京女子流 対バン:12/16 at 東京キネマ倶楽部
13. THE IDOL M@STER MILLIONLIVE : 10thライブact-1 両日 4/22,23 at さいたまスーパーアリーナ
14. TrySail:Super Bloom tour 8/13 at パシフィコ横浜
15. ミリマス9th :1/17 at 日本武道館

待望・エモランキング
1. 横山輝一
2. 冨田ラボ
3. KIRINJI
4. Zapp

踊れる・楽しい系
1. 横山輝一
2. Zapp
3. cero
4. 山下達郎

パフォーマンス・演奏力
1. 山下達郎
2. Zapp
3. KIRINJI・cero
4. 東京女子流

③特筆したい公演・ミュージシャン(バンド)のレビュー
山下達郎:PERFORMANCE 2023 7/29 at NHKホール

2017年以降毎年山下達郎のツアーには参加している。セットリストは何十年も基本的なプロットがあり、そこから大きな逸脱をすることが無いのでサプライズはほぼ無い。
特に2023年は彼と某の関係について(ファンは薄々分かっていたが)目を向けざるを得なくなったり、彼のラジオ内での発言に困惑したりなど、今まで通り楽しめるか正直不安だった。

結論、2022年のツアーより楽しめました。

バンド全体の演奏力、本人のパフォーマンス力は申し分ない。
それ以上に自分の心を動かしたのはセットリストにあった。
“雨の女王”は2014年に30年以上ぶりの演奏以降、セトリに上がることは無かった。
当時田舎の高校生だった自分は公演数が限られているこのツアーに行くことが出来なかった。待望だった。

今回のライブが最高であった所以としてセットリストを挙げているが、雨の女王の

SILENT SCREAMER~BOMBER~SILENT SCREAMER

Silent Screamerは1980年代初頭以降、2014年のツアー以外で演奏されることが無くなり、かつては他のファンクチューンとセットで演奏されていたBOMBERも単体での演奏が基本となっていた。

ぶっちゃけ、BOMBERは初めてライブを観た2009年からフェスも含めて何回も聴いてきたので、個人的にファンクチューンとしては食傷気味だった。
それなのに今回のセトリに組み込まれた途端、初披露・新曲の様な味わいがあった。
同じ曲でも、流れによっては聴こえ方が変わってくる。

気が付いたら本編ラストのCIRCUS TOUWNも全編オーラスのYOUR EYESまで終了していた。
歌唱力は昨年の3年ぶりのツアーで若干衰えたかに思えたが、今年は声量や声の伸びも改善されていた。
なお、演奏と歌唱は10/6の名古屋の方が良かったが、セットリストを知っている状態だったし、初回の驚きや感動のようなフレッシュさは望めないので、4位にさせてもらった。ただ、両公演とも忘れられないライブになったことは間違いない。
アンコールからコーラスとして竹内まりやが参加したこともHNKホールに軍配があがる要因となった。


横山輝一: AKIMATSURI 2023 9/10 at 神田明神ホール

彼のライブについて、前置きが非常に長くなるので読み飛ばしてもらって構わない。

今年の夏、突然Twitterに一つのアカウントが出現した。

アカウント名”横山輝一

一瞬目を疑った。あの横山輝一が再び表の世界に姿を現すなんて..!

△△
横山輝一は80年代後半から今でいうシティポップ系の楽曲を多くリリースしていた。
一旦活動休止を挟み、渡米。
活動再開後の90年代から00年代初期はNJS・アシッドジャズなどブラックコンテンポラリーな曲を世に披露していたミュージシャンである。
所謂「ド・メジャー」なミュージシャンではないが、93年のシングル「Lovin’ You」のスマッシュヒットがある。
また、提供楽曲の方がメジャーになるケースが多く、
MAXの「Ride on Time」、AAAもライブでカバーしていたZooの「YA-YA-YA」辺りが特に有名である。
郷ひろみ、V6、Wink、初期のEXILEやISSAにも楽曲提供している。

そんな横山輝一は03年のセルフカバーアルバム・インディーレーベルからのミニアルバムリリース後、徐々に表舞台から遠ざかりここ20年近くはFCのみの活動となっていた。
アルバム・ライブDVDのリリースこそあれどFC会員しか購入できず、FC会員以外は横山輝一の20年間の動向について公認ファンサイトでしか把握することが出来なかった。
FC会員以外から見ると”マイナー”どころか”カルト的”とも言える実体の見えなさ。

大学生の頃、NJS系の音が好きだった自分にはドストライクだったし、パワー系のヴォーカルも自分好みだった。特にNJS期の1st,2ndはChuckii Bookerが制作に関わっていることもあり、本場の音。活動後期はincognitoのブルーイにプロデュースして貰ったり.. もっとメジャーな存在にならなかったのが勿体ないと思っている。

横山輝一公式Twitterで、AKIMATSURI2023の一般席解放が告知されたのである。
そもそもFC以外に解放された公式SNS自体もサプライズだし、ライブも一般向けに解放されるなんて。ライブMCでも話していたが、FC会員以外を招き入れたライブは20年近くぶりとのこと。
一般の人が聴ける最新の音源は2003年頃の作品が最後だった。

大学の頃、必死でSHIBUYA TSUTAYAのレンタル、ディスクユニオンブックオフで中古CDを探してヘビロテし続けたミュージシャンの(一度も行けないと思っていた)ライブに行けるなんて、期待しかなかった。 しかし、自分が彼の動向を追えた
どんな人でも歳を取ると衰える。横山輝一も還暦をとうに過ぎており、20年近くの月日が経った今、歌唱力は維持されているのか、ライブが始まる直前も期待感と不安感が入り混じっていた。
△△

まず、声がcdやyoutubeで聴いていたものとほとんど変わらない。
加齢が功を奏したのかややドス・倍音がこれまで以上に強くかかっており、迫力がすさまじかった。
ファンハウス・ポリスター時代のシングルを中心に、そしてStormy nightやLUVなどのゴリゴリのNJSやHOLD ONといったバラード etc. 
途中からしばらく、上のキーが出しづらい状況だったと語っていたが、素人目には全く気が付かない。ただ圧倒的な声量と原曲に忠実だが現代風に再録された音源で全33曲(アンコール含む)を楽しませてくれた。 
33曲、少なくとも今年観たライブの中では一番多い曲数。
殆どMCも交えず3時間以上の高密度なライブだった。
80年代の楽曲も違和感なく歌いこなし、また一般向けにライブが開催された暁には必ず参加したいとおもう。


cero: eo Tour 7/12 at Zepp Shinjuku
ceroのライブには大学進学してから何度か足を運んでいた。
コロナ・就職の関係もあり、2020年2月7日Zepp Divercityでのライブ以降は
足が遠のいていたため、実に約三年ぶりの現地となる。

今回のツアーは最新アルバム「e o」のリリースに合わせたツアー。
「e o」自体、自分の中で2023年のベストアルバムに入る名作だと思っているし、リスナーからの評判もかなり上々。

前作のPoly〜、それ以前の作品やコロナの社会情勢も踏まえ、ceroとしての一つの決算と言った内容だったので、ライブの内容も連動して期待が大きかった。

ライブの内容はe oの箱庭的な世界観がより身体性と結びついた内容となっており、神経を張り巡らせて聞くというよりは、ダウナーなトランス状態な思考空間に誘導された感覚だった。 
後半にはFdfやPoly Life Multi Soulなど踊れる曲も用意されており、精神性が高すぎて胃もたれ、なんてことも無かった。
今年の年末に開催されたContemporary Tokyo Cruiseが”動”で、本公演は”静”だった。
オーラスの”街の報せ”で昇天。


冨田ラボ・KIRINJI

親の影響でキリンジを幼少期の頃から聴いていた。兄弟体制、バンド体制の頃、いずれもチケットが取れなかったり情報を把握できなかったりで、一度もライブに足を運ぶ機会を得られなかった。
キリンジ時代の中でも冨田ラボがプロデュースしていた頃が最も好きだったため、
冨田ラボが参加した作品の多くはキリンジ問わず何度も聴いてきたし、
Shipbuildingシリーズも、特に第一弾は何回聴いたか分からない。
冨田ラボのフェスについては冨田ラボに関係する3バンド(ミュージシャン)がフェス形式で曲を披露したのち、冨田ラボworksが披露されるものだった。
そこでKIRINJIの音楽を現地で体感した。キリンジ時代の悪玉、僕の心のありったけ、など郷愁を誘う曲もいくつか。バンド体制の曲が中心となったが、killer tuneで固められた構成だった。 
KIRINJI単体のライブは自分にとって2023年ラストのライブ観覧となったが、良い締めくくりとなった。アルバム「Steppin’ Out」を中心としたセトリだったがアルバムの良曲、バンド・キリンジ時代の曲もバランスよくちりばめられ、演奏力を一切の隙が無い。オダトモミさん、歌が本当に上手なので、弓木ちゃんやゲストヴォーカルの穴を埋めるには十分すぎた。本当に行って良かった。

TENDREとWONKの”眠りの森” がKIRINJIより冨田ラボのフェスの評価を高くした。
元々ハナレグミが参加していたこの曲を、河原太朗と長塚健斗の二人で披露した。
オケだけの演奏だったとしても卒倒ものなのに、優しくスウィートな声の二人で責められたらお終い。 完敗でございます。

Zapp

ビルボードライブ東京で、最初は座りながら体を揺らして観ようと思っていたが、エンターテインメント力と暴力的なグルーヴに踊らされた。
興行と言われても構わないとばかりに、ヒット曲やチョット笑いを誘う曲芸のオンパレード。ロジャー・トラウトマン以外にも、オリジナルメンバーはもうほとんどいないが、zappのソウルは今も受け継がれている。トークボックスのあの音、ギターのカッティング、スウィングするドラム、どれも最高。バンドのギタリストが投げたタオルもゲット出来てラッキーな夜を過ごした。
前日は横山輝一のライブだったので、本当に踊った二日間だった。
その二日後に高熱出して三日間寝込んでしまった(笑)。

④おわりに
今年のライブで特筆したい公演やミュージシャン達について、一通り書き込むことが出来て満足。 
本当に殴り書きみたいな感じで書いたので、体裁揺れや誤字があった場合はご容赦下され。

詳しくは言及していませんが、東京女子流も10年以上ずっとダンスボーカルユニット・アイドルの狭間で活動を続けていることもあり、ファンク・ディスコ・フュージョンの音楽をクールにkawaiiも交えつつしっかり演じ切っていたのはパフォーマーシップを感じる良いものだった。踊っているのに歌も上手で、正直言って声優が歌って踊るライブに行くよりチケ代含めてお得感があった。
駒形友梨のオーケストラコンサートもミニアルバム4作を中心とした選曲で、何よりもオーケストラアレンジがポップスを吹奏楽風にするのではなく、”スタジオ録音で体現できなかったストリングスパートを付け加えた”と言った違和感・陳腐化が無いアレンジで聴いていて全く違和感なくまずまず楽しめた。アイマス10thのライブは、自分がかつてハマっていた曲をSSAの良い席で観ることが出来て眼福。
総合ランキングの下位2公演以外の不満はほぼ無く、満足だった。
(2公演はネガティブな意見で埋め尽くされてしまうので詳しくは言及しません)



2024年はBilly Joel,Boz Sgaggs,James Taylorのライブに行くことが確定している。4月のグラスパー、5月の女子流のライブ、にも行きたい。山下達郎のツアーは発表されたら行けそうな地域のチケ抽選は全て申し込む。
2024年のライブ観覧楽しみだなぁ。
もしこのブログを最後まで見てくれた人がいたら、その忍耐力に最大限の賛辞を。